全部知ってる?ロングパスタの種類と特徴や使い方一覧

650種類以上あると言われるほどパスタの種類は多いですが、その中でも日本で最も馴染み深いパスタとして知られているのがロングパスタですよね。
ロングパスタは長さが25㎝前後のパスタとされており、うどんや蕎麦、ラーメンと似ている点が日本で好まれている理由のひとつではないでしょうか。
そのロングパスタですが、麺の太さや断面の形によってさらにいくつもの種類が存在しています。麺の太さや断面の形によって食感やソースの絡みなどが変わるので、料理をする上でどのロングパスタを使用するかは大事なポイントとなります。
ここではそんなロングパスタの種類と特徴や使い方をそれぞれ紹介していくので、お店でのパスタ選びやパスタ作りの参考にしてみてください。
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スパゲッティ(Spaghetti)
日本では知らない人がいないほど深い馴染みを持ち、様々なパスタで使われている有名なロングパスタがスパゲッティです。
スパゲッティは「紐」の意味を持つイタリア語である「spago」が語源となっているロングパスタです。よく「スパゲティー」をいう表記がありますが、イタリア語の発音としては「スパゲッティ」が正しい呼び名です。
日本はもちろん、イタリア本国でもよく食べられている代表的なロングパスタのひとつであり、名称は比較的新しいですが、ヨーロッパでもっとも古いスパゲッティは紀元前4世紀まで遡るほど歴史が深いロングパスタとされています。
JAS規格(日本農林規格)では「1.2mm以上の太さの棒状、または2.5mm未満の管状」と規定されていますが、スパゲッティは一般的には「断面が円形で太さが2.0mm前後のロングパスタ」とされています。
>>ソースに合わせたパスタの太さの選び方について詳しくはコチラ
スパゲッティのおすすめの使い方
スパゲッティはカルボナーラなどのクリーム系パスタやトマトソース系パスタにも相性が非常に良いですし、ペペロンチーノのようなオイル系パスタとの相性も申し分ありません。
むしろどんなソースとの相性も良いロングパスタなので、様々なパスタ料理に使いやすいのでぜひ使ってみてはいかがでしょうか。
スパゲッティーニ(Spaghettini)
スパゲッティよりも太さが細いロングパスタであり、日本でもよく食べられているのがスパゲッティーニです。「より細いスパゲッティ」という意味を持っており、日本でもイタリアでも目にする機会が多い代表的なロングパスタの種類です。
一般的に「断面が円形で太さが1.6mm - 1.7mmのロングパスタ」とされています。スパゲッティと混同されることも少なくありませんが、細めのスパゲッティと思っても問題ないかと思います。
スパゲッティーニのおすすめの使い方
やや細めのロングパスタなので、濃厚なソースのパスタよりもあっさりしたパスタとの相性が非常に良い特徴を持っています。
ボンゴレ・ビアンコのようにあっさりして汁気の多いパスタやペペロンチーノなどのオイル系パスタでの使い方がおすすめです。
フェデリーニ(Fedelini)
スパゲッティーニよりも細く、あっさりとした食べ方ができる特徴を持ったロングパスタがフェデリーニです。
語源は諸説あり、「薄い」という意味を持ったラテン語が語源であるという説や「糸」という意味を持ったイタリア語が語源である説があります。国やスペルから信憑性が高いのは「糸」な感じはします。
「断面が円形で太さが1.4mm - 1.5mmのロングパスタ」とされており、麺の表面に細かいざらつきがあるので、細くてもソースが絡みやすい特徴と持っています。
フェデリーニのおすすめの使い方
軽めのトマトソース系パスタやオイル系パスタとの相性が非常に良いです。麺の表面のざらつきによってソースの味もしっかりと味わうことができます。
他にもジェノベーゼペーストなどのペーストを使ったパスタとの相性も良いロングパスタなので、軽めにしっかりとしたパスタを食べたい人におすすめです。
ヴェルミチェッリ(Vermicelli)
「細長い虫」の意味を持つイタリア語の「verme」が語源となっている麺が太めのロングパスタがヴェルミチェッリです。英語読みで「ヴァーミセリ」や「バーミセリ」と表記されている場合もあります。
ヴェルミチェッリは14世紀のイタリアでは地方によって様々な呼び方をされていました。ヴェネツィアでは「minutelli」、ボローニャでは「orati」、レッジョでは「fermentini」と呼ばれていた歴史があります。
ヴェルミチェッリはJAS規格(日本農林規格)では「1.2mm未満の棒状に成形したもの」とありますが、一般的には「断面が円形で太さが2.1mm - 2.2mmのロングパスタ」とされています。スパゲッティよりも太さのあるロングパスタということになります。
ヴェルミチェッリのおすすめの使い方
麺にしっかりとした太さがあるので、クリーム系パスタやボロネーゼなど濃厚でしっかりとしたソースとの相性が良いロングパスタです。
ソースとの相性ももちろん大事ですが、麺の食感などを感じやすいロングパスタなので、ぜひ食感も楽しんでみてください。
カペリーニ(Capelline)
冷製パスタなどで使われることが多く、非常に麺が細いロングパスタで有名なのがカペリーニです。「髪の毛」の意味を持つイタリア語の「capello」が語源となっています。
髪の毛と同じ太さとまでは言いませんが、数あるロングパスタの中でもカペリーニはかなり細く、一般的には「断面が円形で太さが1.3 mm以下のロングパスタ」とされています。
カペリーニのおすすめの使い方
カペリーニは非常に麺が細いので、冷製パスタやスープパスタとの相性が良いロングパスタです。基本はスープパスタで使われ、夏場などは冷製パスタとして使用されることが多いようです。
その細さから茹で上がりも早い(2分前後)ですが、普通のクリーム系パスタやオイル系パスタのように調理すると、ちぎれたりべとべとになってしまうので調理方法には注意が必要です。
カペッリ・ダンジェロ(Capelli d'angelo)
「天使の髪の毛」という意味を持つ、カペリーニよりも麺が細いロングパスタがカペッリ・ダンジェロです。英語では「エンジェルヘアー・パスタ」とも呼ばれています。
「断面が円形で太さが0.7 mm から 0.9 mm」であり、一般的なロングパスタのように棒状に成形されておらず、即席麺のようにぐるぐるに塊になっているケースが多いです。
極細なので棒状だと折れやすいですし、その細さからスープで使われることが多いので、利便性を図っての形状かと思います。
カペリーニと混同されている場合もありますが、カペッリ・ダンジェロという表記になっていたら、極細のロングパスタと認識して問題ありません。メーカーによってはカペリーニとして取り扱っている場合があるので、麺の太さを確認するようにしてください。
カペッリ・ダンジェロのおすすめの使い方
非常に細いロングパスタなので専らスープとして使われることが多いです。もちろんスープとしてだけでなく、冷製パスタとしても食べられているロングパスタなので、軽めのパスタが好きな人におすすめできる種類です。
一般的な炒めるパスタとして使用するのは基本的には難しいので、スープや冷製パスタ用として割り切って使った方がカペッリ・ダンジェロの良さと楽しめるかと思います。
パッパルデッレ(Pappardelle)
「豪快に食べる」、「食いしん坊」の意味を持つイタリア語の「pappare」が語源となっているロングパスタがパッパルデッレです。イタリアのトスカーナ地方でよく使われており、語源通りボリューム感のある平麺になっているのが大きな特徴です。
「平麺の幅が20mm前後、厚さが2mm前後」のロングパスタであり、日本のきしめんと比べると幅が倍以上あるのでかなり食べ応えがあるロングパスタです。
平麺のロングパスタは幅によって種類が分けられていますが、JAS規格(日本農林規格)では平麺のロングパスタはすべて「ヌードル」で統一されています。
パッパルデッレのおすすめの使い方
しっかりした食感とソースに絡みやすい特徴と持ったロングパスタなので、濃厚なクリーム系パスタとの相性が良いです。
他にもボロネーゼに使ってもおすすめのロングパスタなのでぜひ食べてみてください。
タリアテッレ(Tagliatelle)
「切る」の意味を持つ「tagliare」が語源となっており、細いリボン状のロングパスタがタリアテッレです。麺の幅が8mmほどあります。
イタリア北部でよく使われるロングパスタではありますが、イタリア中南部では「フェットチーネ(Fettuccine)」と呼ばれています。
イタリアでは古ローマ時代から食べられている歴史あるロングパスタであり、ほうれん草などの野菜を生地に練りこんだものが数多くあり、日本はもちろん様々な国で親しまれています。ちなみにタリアテッレよりも細いロングパスタに、タリエリーニというロングパスタがあります。
タリアテッレのおすすめの使い方
麺にソースが絡みやすいので主にクリーム系パスタで使用することをおすすめします。ソースの味はもちろん、麺の食感などもしっかり楽しむことができます。
フェットチーネ(Fettuccine)
イタリア語で「小さなリボン」の意味を持ち、日本でも人気のあるロングパスタがフェットチーネです。タリアテッレと同じロングパスタではありますが、商品によってはフェットチーネの方が若干幅が広い場合もあります。
イタリア中南部でよく使われるロングパスタであり、古ローマ時代から食べられている歴史あるロングパスタです。
現地では牛肉のラグーや鶏肉のラグーとともに食べられる習慣があり、クリーム系パスタとしてもよく使われているロングパスタです。
フェットチーネのおすすめの使い方
主にクリーム系パスタでの使い方をおすすめします。平麺なのでソースとよく絡みますし、食べ応えもしっかりあります。
他にも牛肉のラグーと合わせても良いですし、ソースの存在感があるパスタと一緒に食べてみてください。
ツィーテ(Ziti)
英語名では「ロングマカロニ」と呼ばれる管上のロングパスタがツィーテです。
「直径5mm - 8mm前後の管状のロングパスタ」がツィーテの特徴であり、普通のマカロニのサイズに切ってグラタンなどに使用されることが多いロングパスタです。
ツィーテのおすすめの使い方
普通のマカロニサイズに切ってグラタンに使用するのもいいですが、牛肉と野菜を煮込んだ濃厚なトマトソースと合わせて食べるのをおすすめします。
食べ応えも抜群ですし、管状になっているのでソースもしっかり楽しむことができるおすすめの食べ方です。
ブカティーニ(Bucatini)
「穴」の意味を持つ「buca」が語源となっている管状のロングパスタがブカティーニです。「直径2mm - 3mm前後の管状のロングパスタ」を指します。
麺に太さはそこまでありませんが、麺が管状でソースが入り込むようになっているので濃厚なソースとの相性が良いロングパスタです。
ブカティーニのおすすめの使い方
麺が管状になっていてソースが管に入り込むようになっているので、ソースをしっかり楽しむことができるのが特徴です。
濃厚なクリーム系パスタはもちろん、しっかり煮込んだトマトソースをベースにしたパスタにもおすすめできるロングパスタです。
リングイネ(linguine)
「舌」の意味を持つイタリア語の「lingua」が語源となっているロングパスタがリングイネです。日本でもある程度馴染みのあるパスタとして、名前が聞いたことがある人も多いかと思います。
「直径1.9mmほどで断面が楕円形のロングパスタ」であり、弾力がありもちっとした食感が特徴なのも日本人好みの理由でしょう。
食感を楽しめるだけでなく、楕円形なのでソースとの絡みが良いのも魅力です。
リングイネのおすすめの使い方
バジリコと松の実を使用したジェノベーゼがおすすめの食べ方となっています。
他にも濃厚なソースとの相性も良いのでクリーム系パスタでもいいですし、弾力がある食感があるロングパスタは魚介系パスタとの相性も抜群です。
ラザニェッテ・リッチェ(Lasagnette ricce)
「幅が10mm - 15mmの両端がギザギザになっている平麺のパスタ」がラザニェッテ・リッチェです。
「ricce」とは「縮れ」という意味であり、平麺両端のギザギザが特徴となっています。
ラザニェッテ・リッチェのおすすめの使い方
平麺ですし両端のギザギザなので、ソースが絡みやすく濃厚なソースを使ったパスタで使うのがおすすめです。
さらさらしたソースよりは、クリーム系やボロネーゼとの相性が良いです。
ラザニア(Lasagne)
日本で「ラザニア」で親しまれているロングパスタですが、実はラザニアは料理名ではなく、ロングパスタの種類の名前です。
イタリアのナポリの名物であり、平たい板状の麺が特徴となっているロングパスタです。
「壺」を意味する「ラサノン (lasanon)」が大本の語源となっており、直接の語源は「浅い鍋」という意味の「ラサヌム (lasanum)」とされています。
昔は手打ちの生パスタが主流でしたが、現在では乾燥させたラザニアが主流になっています。
ラザニアのおすすめの使い方
やはりラザニアは耐熱容器を使い、ベシャメルソースやミートソース、ラザニア、チーズを何層も重ねて焼いたラザニアがおすすめです。
他のパスタではできない食べ方ですし、ソースやチーズも美味しく食べシムことができ、パーティーなどでもおすすめできる食べ方です。
ベシャメルソースやミートソースだけでなく、カレーソースなど様々なソースで美味しく食べることができるのもラザニアの魅力でしょう。
キタッラ(Chitarra)
「ギター」の意味を持つ「chitarra」が語源であり、断面が四角の形になっているのが特徴のロングパスタです。
木箱にギターの弦のように生地を張り、それを麺状にカットして作っています。この木箱のこともキラッタと呼びます。
19世紀中ごろのイタリアのアブルッツォ州が起源となっています。日本ではあまり馴染みがないロングパスタかもしれません。
キタッラのおすすめの使い方
現地では子羊を煮込んだソースと一緒に食べるのが伝統とされています。
子羊は日本の家庭では日常的に食べるものではないですし、ボロネーゼや牛肉と野菜と煮込んだトマトソースと合わせてる食べ方がおすすめです。